受講講座
英文契約書講座(2019年4月~2019年9月)
企業内弁護士 高橋様(仮名)
高橋様は、 ロースクールを卒業後、現在はメーカーで企業内弁護士として勤務されています。法務業務に携われて6年目です。
Q1.実務で取り扱われている主な契約書について教えてください。
A1.英文契約書は主に秘密保持契約と売買契約(製造委託契約含む)です。日本語の契約書は、秘密保持契約、売買製造委託契約の他、共同研究開発・出願契約の技術系契約、修正契約や解除契約多岐にわたります。概ね製造会社として一般的に取扱う契約書は扱っていると思います。
Q2.実務で、英文契約を取り扱う際に難しいと感じていることがありましたら教えてください。
A2.一つ目は、伝えたいと思っていることと起案した文章に齟齬がないかという点です。メール等とは異なり、契約書では条件を課したり例外を規定することも多いので、そうした条件を規定する修飾節が必要な箇所に適切にかかっているだろうかと不安になります。二つ目は、自身の実体法の理解が乏しいことです。実体法に当てはめて条項がどう解釈されるかという理解が不足しているために、加筆修正の判断に迷うことが多々あります。
Q3.IPEC英文契約書講座を受講された目的を教えてください。
A3.いくつか単発の英文契約セミナーを受講したこともありますが、一般条項の説明を繰り返し聞くことになるなど内容の重複も多く、また複数類型の契約書を連続で学べる機会は貴重だと考えたことが契機でした。
Q4.担当する講師3名についてはいかがですか。
A4.平野先生の講義は、ドラフティングの基本から始まり、アメリカ取引法の実体法面の基本的知識の解説もしていただけるのでとても勉強になっています。ご著書は以前から辞書代わりに使用していましたが、独学で読むより解説を伺ってから読むほうが頭に残ります。2名の実務家の先生方の講義は、教材の解説はもちろんのこと、実務面での工夫や経験談を伺うことができ、いつも興味深くお話を伺っています。お二方とも法務部員の指導のご経験が豊富でいらっしゃるためか解説も非常に分かり易いと感じています。
Q5.本講座が業務に役立っている点を具体的に教えてください。
A5.まず毎回配布される教材は、類似の英文契約を扱う際に文例の参考などになると思います。また、補助教材の平野先生のご著書も常に会社の個人用キャビネットに入れてレビューやドラフトの際に参考にしています。何よりも半年にわたって英文契約書に継続的に触れ慣れることができるという側面はとても大きいと感じます。
Q6.単発の英文契約関連セミナーと本講座の違いがありましたら教えてください。
A6.上記(Q3)にも書きましたが、半年にわたり複数の契約類型を連続して扱うという点だと思います。単発の英文契約セミナーももちろん役立つのですが、何度が受講していると内容面の重複感が生じるように感じます。その点連続講義ですと、以前の講義で詳しく説明をいただいた箇所を軽めに扱うといったメリハリをつけられる点がメリットです。また、実務では使用頻度の高い修正契約書や解除契約書といった付随的な契約書を独立に扱う講座は珍しいと思います。
Q7.最後に、企業法務担当者や企業内弁護士の方々へ、本講座のお薦めポイントまたは活用法がありましたらお聞かせください。
A7.英文契約書を普段取り扱う機会の少ない方や経験の浅い方でも基本から丁寧にご説明いただけるので安心して受講できる点です。また、基本的な法理論にも触れて下さるので学んだことの応用がしやすいのも利点だと思います。何よりも講義はもちろん予習復習を通じて、半年間にわたり英文契約書特有の表現に慣れることができるのが最大のメリットではないかと思います。
ご協力ありがとうございました。 高橋様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。