【過去開催講座の紹介】国際法務実務者のための「米国判例から学ぶ英米法」講座 2014年9月・11月

短期集中講座

IPEC法務英語で過去に開催した講座を紹介します。

【国際法務実務者のための「米国判例から学ぶ英米法」講座 2014年9月・11月開催】

講座の狙い

日本の法制度の下では、契約(法)を始めとする各法分野を理解する作業は、「法令」の確認から始めます。他方、米国においては、原則として、それぞれの法規範の把握・理解の出発点を、「判例」に求めます。本講座で取り上げます「契約成立」(formation of contracts)に関する諸法理は、契約法上、極めて重要であり、これを満たさなければ契約そのものが無効とされてしまいます。しかし何が「有効」(valid)な契約成立に必要なのかについては、「判例」から見出していかなければなりません。言い換えれば、海外の企業とアメリカ法に基づいた契約書を一つ作るにしても、「判例が読めないと始まらない」ということなのです。

この講座では、契約の成立に関わる実際の判例を読むことを通じて、次のことが習得できます。

  • 英米契約の根幹となる、有効な「契約成立」のための基本的諸法理を理解できる
  • 法律に特有な英単語と、実際の使い方・用法を理解できる
  • 英文判例を読むための基礎知識を学べる

講座スケジュール

セッション1(9月20日(土)1~3回目、9月27日(土)4~5回目)
セッション2:11月15日(土)1~3回目、11月29日(土)4~5回目は終了しました
※セッション1と2は同内容です。

日時 授業内容
1回目
13:00-14:30
・判例を読むために必要な知識と理解
-裁判制度(連邦・州)
-民事訴訟法や証拠法上の基本的法律用語や基本的概念
・「契約成立」(formation of contracts)に関する基礎知識
教科書:「体系アメリカ契約法~英文契約の理論と法務~」(中央大学出版部)
判例:「In re Zappos.com, Inc.」893 F.Supp.2d 1058 (D. Nevada 2012)
「申込」(offer)と「承諾」(acceptance)の意思表示や、契約が「約束」
(すなわち「commitment」―自らを縛る声明)になっていなければ
「偽りの契約」(illusory contracts)と解釈されて無効になる法理等を学びます。
2回目
14:40-16:10
・有料データベースで判例を調べる
-有料データベースの概要、使い方の説明
-判例検索方法の説明
-制定法の検索方法、および論文や文献・リステイトメント等の検索方法
判例:引き続き「In re Zappos.com, Inc.」
3回目
16:20-17:50
・「偽りの契約」(illusory contracts)に関する判例を読む
判例:「Harris v. Blockbuster Inc.」622 F.Supp.2d 396 (N.D. Tex. 2009)
ウエブサイト上の契約の仲裁条項が、「偽りの契約」ゆえに強制不可能と解釈された代表判例を学びます
4回目
13:00-14:30
・「一般条項」(general terms & conditions)に関する判例を読む
判例:「Diverse Elements, Inc. v. Ecommerce, Inc.」2014 WL 1100624 (S.D. Fla.)
「偽りの契約」法理に関連して、「法廷地選択条項―forum selection」の有効性や
「分離条項―severability」の効果を扱った判例を学びます
5回目
14:40-16:10
・「約因」(consideration)に関する判例を読む
判例:「Access Organics, Inc.対Hernandez」175 P.3d 899 (Mont. 2008)
競合避止義務に関する契約が、約因を欠くために無効と判断された判例を通じて、
約因法理を正しく理解するために必要な、「post consideration」(過去の約因)について学びます。

使用教材:体系アメリカ契約法~英文契約の理論と法務~(中央大学出版部)
副教材:米国判例 他

講師

平野晋氏

職歴

現職 中央大学教授(総合政策学部)米国弁護士(NY州)・博士(総合政策)(株)NTTドコモ法務室長

MORGAN, LEWIS & BOCKIUS法律事務所(ロサンゼルス事務所)研修生

学歴

中央大学法学部法律学科卒業、
コーネル大学(法科)大学院(Cornell Law School)修士課程修了(LL.M.)
コーネル大学(法科)大学院(Cornell Law School)法務研究科特別研究生(コーネル国際ロージャーナル誌編集員)

お薦めの方

英文・国際契約の担当者、国際法務担当者、米国法・司法制度を理解した方、国際ビジネスに従事している方など

※企業研修としてご活用ください。

受講料

38,000円(税込)使用教材代別途必要

使用教材代別途必要

「体系アメリカ契約法~英文契約の理論と法務~(中央大学出版部)」7,020円(税込)

※使用教科書をご持参の場合には受講料のみのお支払となります。
※教科書及び1回目の副教材の米国判例は、受講料・教科書代のお手続き完了後より配布します。